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「アメリカ大統領選」TPPが今こそ重要なのです!

アメリカ大統領選挙の開票が進み「トランプ氏リード」という恐ろしい状況ですが、最後までわかりませんので明日、扱います。

昨日のブログで、大統領選は日本にも世界にも大きな影響を与えると書きましたが、同様なのが日米ともに絡むTPP(環太平洋戦略的経済連携協定、Trans-Pacific Partnership)です。
TPPは約3年間のすったもんだの議論の末、昨年10月に太平洋12ヶ国でようやく合意しました。
WTO(世界貿易機関:World Trade Organization) では貿易・関税について自由貿易を進めていくことが合意されていますが、それに+αして電子取引・競争政策・環境問題・労働条件などのいわゆる“モノの取引”以外についてTPPで自由度を広げていこうという合意がです。
この12ヶ国のGDPは世界貿易の4割を占め非常に影響が大きいわけです。

国内でのTPP批准の国会承認と関連法案は4日に衆議院・特別委員会で通過
→衆議院・本会議で採決
→参議院に送付
という段取りになります。

アメリカ大統領選ではトランプ氏は最初からTPPに反対、クリントン氏もだんだん押されて途中から反対に回りました。
「日本が批准する意味があるのか」という議論もありますが、安倍政権が言う通り“アメリカの背中を押す”意味で日本が先に批准して、オバマ・現大統領の残りの任期中にアメリカ議会でも批准する段取りになれば良いと思います。
今日の大統領選と同時にアメリカの議会選挙も行われています。
3分の1が入れ替わる上院で、オバマ・民主党に対して共和党多数が民主党多数になる可能性もあります。
オバマ大統領はTPPに道筋をつけたいと考えていますから、日本が批准することは大きな要件になるでしょう。

ちなみに“中国”について、クリントン氏は「安全保障は対中国を考えて日米同盟を重視する」、トランプ氏は全く考え方が違うものの「中国は為替操作国だ」と発言をしていて、TPPはこうした意味でも重要です。
TPPは広い太平洋における“民主主義や自由主義、海洋国家の連携”も目的としており、中国の経済力や軍事力の拡大に対して均衡関係を作っていくことで「これから先、中国が貿易+αを共にするのであればルールを共有すること」という圧力にもなります。
日本が先に批准してルールメーカーになることは極めて重要です。
TPPの国会審議と時を合わせて就任した山本有二・農林水産大臣の余計な失言で民進党などに「大臣が辞めなきゃダメ」などという口実を与えてしまいましたが、恐らく山本大臣でなくても民進党は同様の対応だったでしょう。

貿易だけでなくこれからの世界の枠組みをリードするため日本はしっかりとTPPを批准すべきです。

アメリカ大統領選は、確定結果を受けて明日、扱う予定です。
(執筆:日本時間14時)

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