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誰にでも訪れる「終末期」のあり方を考えよう

総務省消防庁から委託された研究班が終末期の高齢者の対応手順案をまとめたそうです。

終末期とは病気が治る可能性がなく数週間〜3カ月ほどで亡くなる時期を指し、蘇生とは呼吸が止まっても生き返らせる処置をすることですが、高齢社会が進むなかでこれらを現実に照らして考える必要があります。

研究班による提言は高齢者本人の意思と医師の判断の両方が確認できた場合に蘇生中止を認めるもので、意見が
「これから先“心臓を動かすためだけの処置”はやめよう」
と一致した場合に、そこから先は蘇生を止めるということです。

このような議論が必要な理由は、介護施設などの職員は入所高齢者の呼吸が止まっても生存の努力を怠ってはならないので救急車を呼び、救急隊も人工呼吸や電気ショックなどで呼吸が戻るための努力をしなければならない原則があるからです。

救急車の出動のうち高齢者が占める割合は、

編集
平成22(2010)年 51.0%
平成27(2015)年 56.7%

となっており、平成22(2010)年に50%を超えて以降、毎年1%ずつ増えて最新の平成27(2015)年データでは56.7%になりました。
このままのペースでは救急搬送の6割が高齢者となる計算で
「とにかく蘇生して単に心臓を動かしておけばいいのか」
とも考える必要があるのです。

突き詰めて考えると、
1)本人の「健やかに死にたい」という尊厳の尊重
2)心臓だけ動かしていく医療行為の患者や家族の医療費負担
3)社会全体の保険や税負担
などの課題もあるでしょう。

もちろん若い人やお年寄りでもケガで救急搬送されるケースは別で、あくまで終末期にある高齢者に対する提言です。

介護施設の現場でのいざという時の対応や救急隊の法律上の救命義務など、考えていかなければならない問題です。

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