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見通せない未来への価値

トヨタ自動車が5月12日に2020年度3月期(2019年4月~2020年3月)の決算内容を発表しました。

コロナウイルスなど全く予想だにしなかった去年から、感染が広がってきた今年の2〜3月までを含む決算です。今年に入ってからの1-3月期(第4四半期)は、当然車の販売台数が落ちて、昨年(2019年)の1-3月期(第4四半期)と比べて営業利益は27%減少しました。今言った第4四半期は去年の4月から続いてきた1年間の3ヶ月で、注目すべきは2021年度(2020年4月~20210年3月)、つまり、今年4月から来年3月までの決算の見通しです。この見通しは今年3月までの決算に比べて、なんと営業利益予想は前期比80%減の5000億円の見込みだそうです。全体的な売上は20%減の24兆円と見積もっていますが、最終的な損益予想は未定となっています。

そもそも今年2〜3月は、新型コロナウイルスの影響で海外工場が閉まってしまい決算が集計できていないので、決算発表ができない企業も多いのですが、トヨタは決算発表をした上で、できる範囲の中で今年度の見通しを出したということです。

豊田章男社長は、「危機的な状況だからこそ、今わかっていることを正直に話し、1つの基準を示すことは必要だと思った。基準があれば、裾野が広い自動車産業の関係各社が何かしらの準備ができるのではないか」と、関連会社の多いトヨタとしては、業績見通しを社会的責任と認識して出したという趣旨の発言でした。しかし、これから先の業績が今は見通せないという会社が続出しています。ブリヂストン、資生堂、三越伊勢丹などの日本を代表するような、誰もが知ってる会社が続々と見通し未定、あるいは発表済みの見通しを撤回するという事態になっています。

「株式市場は半年先を見通す」と言われていますが、東京株式市場の全体というか日経平均株価を見てみると、新型コロナウイルスの感染急拡大前の2月は2万3000円台でした。けれども、感染拡大の影響で急激に下がった3月19日の株価は1万6552円で底値でした。そして、今が2万前後となり半分ぐらい値が戻った感じです。

私は株や金融の専門家ではないことをお断りをした上で言いますけれども、本当にこのぐらいの株価が半年後の企業の業績や日本経済を反映しているのかなと思っています。現状のマーケットは世界の中央銀行や日本銀行が金融緩和をしている状況です。いわば日銀が株価を買い支えていると思います。さらに、2月には110円を超えていた円相場が今106〜107円となっております。すなわち、通常であれば円高になると株安になりますが、なっていないのでこちらも反映されていないのではないかと思います。

そして何よりもわからないのは新型コロナウイルスの状況です。これから先は“withコロナ”とよく言われています。コロナが完全終息するのはどのみち数年先でしょうから、感染拡大を抑制しながら経済活動を再開していくということになるでしょう。ですから、経済状況が全く読めず多くの企業が業績見通しが出せていない中で株価がついているということです。

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