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日本とは違う、これが中国から見た東アジア。本気で考えないと!

年明け早々「中国初の航空母艦(空母)「遼寧」が南シナ海で戦闘機やヘリコプターの発着訓練を行った」というニュースがありました。

1月20日に誕生するアメリカ・トランプ新政権に対する牽制との見方もあり、日本により近い東シナ海ではすでに訓練を行っていましたが、南シナ海では初めてのようです。
そもそも空母は軍艦に”わざわざ飛行機を載せて”運用するので“攻撃のための武力”と言え、専守防衛を謳う日本は航空機を艦載する空母は所有していませんが、私は”防衛のための空母”も考えるべきと思っています。

これまでも中国が南シナ海や東シナ海を領海にしたいと考えていることは何度も当ブログに書きましたが、今回はある地図をご紹介します。
日本戦略研究フォーラム(JFSS)発行の『東アジア地勢図』です


http://www.jfss.gr.jp/news/map/map.htm

このような地図は見たことがない方が多いのではないでしょうか。
よく見かける地図は日本や赤道が中心のものが多いですが、これは中国の首都・北京を中心にした正距方位図で、いわば「中国から見た」地図です。
(※正距方位図=ある点(今回は北京)からの距離と方位を正しく表示する地図)

この”中国の視点”で見ると、尖閣諸島を取れば東シナ海が自由になり、そして以前ブログで扱った“九段線”のある南シナ海を押さえればここも自由に行き来できるようになることがわかります。
(※九段線=中国が領有権を主張するために自国の地図やパスポートに印刷している9つの破線)
つまり中国の艦船や航空機がが東シナ海や南シナ海から太平洋に自由に出入りできるようになり(地図3の黒矢印参照)、東京・名古屋・大阪など日本の主要都市はその太平洋に面していて、そのさらに先にはアメリカがあるわけです。


”九段線”を扱った昨年7/12のブログ「選挙も大事。でも、今日、日本に大注目の判決が出ます!」https://www.nakada.net/4827/

このように日常と違う視点で見てみると相手の考えていることがわかるのではないでしょうか。

また同様に“第一列島線”・“第二列島線”(※地図4)などという言い方がありますが、これも中国の軍事戦略上の概念です。
(※中国の軍は地図の上に日本列島から台湾、フィリピン、南シナ海に至る線を引いて第一列島線、さらには日本から小笠原諸島、グアムを結んだ線を第二列島線とし、この2つの線の内側を勢力圏内とする戦略で、戦力展開の目標ライン・対米防衛線としている)

私たちはこのような事も踏まえ、安全保障についてしっかりと考えていかなければいけません。

出典:日本戦略研究フォーラム(JFSS)『東アジア地勢図』

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