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快刀乱麻となるか

菅政権が誕生して1週間、4連休がありましたので国内的な大きな動きというものがあったわけではありませんが、マスメディアの同政権発足時の支持率が出揃ってきました。

いずれの媒体も非常に高い支持率になっていますね。

先週のブログで、「安倍前総理のシナリオ通り」と言いましたけれども、ここまで高い支持率を得ると、本当に完璧で見事なシナリオだったと言えるでしょう。

さて、菅新政権では20人の閣僚のうち8人が再任、3人が横滑りです。再任というのはすなわち、安倍内閣のときのポストにそのまま同じ人が就任し、そして横滑りは閣僚職であった人が違う閣僚になったということです。ですから、「新鮮味がない」や「第5次安倍政権」、共産党にいたっては「安倍晋三首相がいない安倍内閣」とうまい表現をしていますけれども、菅総理自身は安倍政権の継承を謳っていますし、そもそも最後の安倍内閣の組閣は去年の9月に行われてからまだ1年しか経っていません。ここで大臣が交代していたら、役所は仕事しないし、成果が出るはずもありません。それでいいのかどうかは国民が判断することですが、先ほどの各社の支持率を見てみると、高いですから国民が支持しているということになります。

私は組閣後初めての菅総理記者会見を見て、「こりゃ本気だな」と思ったのが一つあります。それは何かというと、行政改革、規制改革です。というのも、総裁選挙のときから菅さんは言っていましたし、役所の縦割り打破や既得権について何度も言っていました。これは、私が長年戦ってきたとも言える案件で、自民党中枢の人からこれを聞いて、「本当かな」と思いました。でも総理就任後の記者会見で改めてこのことを繰り返し、そして、「縦割り110番」といった、実態に合わない規制や縦割り行政の弊害に関する情報を国民から集約する仕組みを設けるように検討を河野大臣に指示したとまで言っていたので、「改めて本気だな」と考えました。

組閣翌日のデイリースポーツにこんな大きな見出しが出ています。

「目玉は河野行革相 前横浜市長・中田宏氏が菅新内閣ポイント解説」と私の発言が掲載されています。

何よりも、言葉だけでは済まなくなった。すなわち河野さんといえば暴れん坊将軍です。この人を大臣に見据えた以上、これはやるんだなということが明らかです。私、今はまだ自民党内も静かですし、霞ヶ関は首をすくめていると思います。けれども、実際に河野さんが核論、具体論をやり始めたら大騒ぎになると思います。

例えば今回の新型コロナウイルスの対応を考えてみましょう。PCR検査が進まないとか病院の受け入れ体制など、さまざまな問題がこれまでありました。ここにも縦割りがあります。病院と聞くと、皆さんどこの省庁が所管していると思いますか。「厚生労働省じゃないの?」と考える人も大勢いらっしゃると思います。しかし、大学病院に関しては、文部科学省の管轄である大学の設置者が設置する病院であります。しかし、病院を含む医療行政全般は厚生労働省の管轄であるため、両者の影響を大きく受けます。だから、厚生労働省は、大学病院に対して指揮命令をするということもできませんし、逆に協力を求めることもしませんでした。

ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が、「機器を使って普段からPCRをしている研究員たちが何十人かいるが、自粛で多くの人が実験せずに在宅になっている。大学の研究所などの力をうまく利用すればPCRの検査能力は2万をこえて、10万くらいいける可能性がある。研究者として検査能力の向上に貢献したい」と発言したことを記憶していますけれども、あれはまさに大変な事態なのに、「黙って見ててくださいね。そちらは担当ではないですからね」という体質があるからです。

市役所などもそうです。コロナ禍において24時間寝ないで仕事しても追いつかない部署もあれば、今まで通り17時に帰れますという部署もある。そんな部署が手伝いに行くことはありません。それは縦割りであり、所管が違うからです。

さあ、連休が明けていよいよ動き出している菅政権ですけれども、河野太郎大臣の作った「行政改革目安箱(縦割り110番)」にはすでに先週だけで3000件を超えるにメールが寄せられたそうです。菅新総理と河野大臣の快刀乱麻となるか、それとも既得権を持つ役人と自民党内の反発で返り討ちにあうか。私は応援したいですね。一つでも多くの具体論を改革して、政府に新たなマインドがもたらされるまで、ぜひやってほしいと思います。

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