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外野はとやかく言うべきでない

2019年(令和元年)7月25日に行われた第101回全国高校野球選手権岩手県大会 夏の高校野球岩手大会の決勝戦、大船渡高校はエースである佐々木朗希投手が登板を回避し、花巻東 に敗れ、甲子園に出場することが出来ませんでした。その佐々木投手が登板回避したことについて賛否両論が巻き起こっています。

佐々木投手は160キロ以上の球速を武器に「超高校級」と呼ばれ、予選が始まる前から注目をされていました。しかし、4回戦(7/21)に延長12回で194球を投げ、前日(7/24)の準決勝で129球、合計435球(4試合29イニング)をわずか9日間で投げていたため登板を回避しました。

登板を回避したことについて大船渡高校の国保陽平監督は「佐々木投手の肩や肘を故障させてしまう可能性が高いと判断して登板を見送った。」と述べました。また、佐々木投手が前日に肘の違和感を訴えていたという情報もあります。

予選前から大注目の投手であり、甲子園は高校球児の夢です。
「ここでエースが登板をしないとはどういうことだ!」という批判の声もある一方で、「怪我をさせてしまっては元も子もない」という賛成の声もあります。

私は監督や投手に責任を押し付ける問題ではないと考えます。すなわち、県大会の試合間隔にもう少しゆとりを設け、選手が休むことのできる環境を整えることこそが大事だと考えるべきであると思います。

たとえ野球経験者であってもなくても、現場におらず、判断材料がない外野が口出しするべき問題ではありません。私はむしろ勝っても負けても批判される覚悟で佐々木投手の登板回避を決断した国保陽平監督に敬意を表します。

この一件で思い出したのは2007年(平成19年)の日本シリーズ第5戦(中日vs日本ハム)です。この試合に中日が1対0で勝利し、日本シリーズを制し13年ぶりに日本一になりました。この試合は山井大介投手(中日)が、8回まで相手チームの打者を無安打,無四死球に抑え、一人の走者を出すこともなく完全試合のペースで投げていました。あと1回を抑えれば山井投手の完全試合達成でしたが、守護神であった岩瀬投手に交代し、二人で完全試合達成となりました。

完全試合はレギュラーシーズンでも滅多に見れず、日本シリーズではなおのこと見れないため、この采配をした落合監督はバッシングにさらされました。

判断材料を持たない人、野次馬的な人の発言は無責任です。

当時、私も横浜市長として孤独な判断を続けていたため、落合監督の批判は覚悟の上の采配に思いを馳せました。

後日談ですが、山井投手は右手中指のマメが裂けて出血をしており、自ら交代を希望していたようです。さらにその後日、落合監督は「周りは内部事情を知らない。我々には勝たなければならない使命がある。山井には来年、再来年がある」と振り返っています。

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