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北朝鮮ミサイル発射。なぜこんな「わがまま」が許されるの?

7日午前9時31分、北朝鮮がミサイルを発射しました。

日本でもその瞬間にニュース速報が流れましたが、長距離弾道ミサイルを日本の先島諸島・石垣島の上空をかすめて飛ばしました。
少しでも間違えればそのエリアが被害を受けることもあり得たわけです。
この長距離弾道ミサイルはアメリカの東海岸、ニューヨーク・ワシントンまで届く開発となり、アメリカも大変な衝撃を受けています。

そもそも国連の安保理事会は2012年に北朝鮮の弾道ミサイル技術を使ったすべての発射を禁じているので、今回は国連決議に対する明白な違反です。
ちなみに北朝鮮は歴とした国連加盟(1991年)国なので「我々は国連に入ってない」「勝手に決議しているだけだ」という状況ではありません。

北朝鮮は今年初めに水爆実験を行っています。
相次ぐこうした動きは国連でいくら決議をしても、あるいは北朝鮮自身が制裁強化が高まることは予想していて、もはや国際的な孤立は全く意に介さないのでしょう。
核開発を進めて核保有国になり、世界の国々に伍していこうという意図が明らかです。

さて、ここでカギになるのはやはり中国です。
国際社会は中国に「北朝鮮に対してしっかり対応を」「監督指導を」といいますが、それは中国が北朝鮮の友好国だからです。

しかし最近では中国と北朝鮮との関係が変化し、人的なパイプが切れてきています。
例えば中国に非常に近かった金正恩(キム・ジョンウン)氏の高官側近・張成沢(チャン・ソンテク)は処刑されましたし、最近では北朝鮮は中国に通告せずに物事を進めています。

しかし、それでも中国が北朝鮮の友好国であり続けるのは、
・韓国との緩衝材になっている
・資源がある
・港を使えば日本海や東シナ海への影響力も行使できる
・ロシアと接近すると困る
といった理由からで、手なずけておきたいのです。

中国自身が、北朝鮮との関係が細くなり影響力がなくなってきていることは認めています。
それでも北朝鮮が核実験やミサイル開発ができるほどの国として成り立っているのは中国が北朝鮮経済の9割方の貿易相手だからです。
中国があるから北朝鮮は存在できているわけで影響力が減ってきたとはいえども北朝鮮の生殺与奪を握っているのはまさに中国です。
中国はしっかり国際社会で協調していく必要があります。

「奇行」を繰り返す我々の隣人=北朝鮮に対し、皆が眉をひそめながらきちんと指導していこうという状況です。
「良き隣人」になるかは別としてその危険を除去していこうとする国際社会のなかで、中国は北朝鮮に裏口から食料を持ち込んで振る舞ったり石油を渡したりしています。

もちろん対話の窓口をなくしてはいけませんが、対話の窓口に出てこさせるためには中国が国際社会で協調していく姿勢がなければ「奇行」はおさめられませんし、現実にはどんどんエスカレートしていっています。

多くの皆さんがなんでこんな国があるんだろうと感じていると思いますし、また日本という国が覇権主義的に自国の利益だけを考えている国でないことは間違いありません。
しかし、こうした自国の利益優先の「大国の思惑」で結果として奇行を繰り返す隣国=北朝鮮がどんどんエスカレートしているのが国際社会の実態でしょう。

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