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偉大なる芸術の力

新型コロナの感染拡大以降、私もスポーツ観戦、映画鑑賞、何にもしてこなかったですが、先日コロナ渦では初めてミュージカルを見てきました。
実は私、ミュージカルが大好きなんですね。今回見てきたのは、神奈川芸術劇場で劇団四季の公演マンマ・ミーアでした。

久しぶりでもあり、本当に心から感動しましたね。マンマ・ミーアという作品は、「人生良いも悪いもいろいろあるけれども、人生そのものが素晴らしい」と感じさせてくれる作品ですが、コロナが広がって以降の社会、世相などさまざまな事を含めていろいろ考えさせられ、新たな活力を私は見ることができました。マンマ・ミーアは以前にも劇団四季で見たことありますし、ニューヨークでも見たことがあります。何度見ていてようとも、つくづくこういう時間が必要だな感じました。本当に、こういう機会を作ってくれたことにありがとうと劇団四季の俳優の皆さん、そしてスタッフの皆さんに感謝を申し上げたいです。

今回私は劇団四季のミュージカルを観劇しましたが、舞台芸術や歌手のライブなどのライブエンターテイメント、また広くエンタメ業界は今まさに苦境に立たされています。6月25日の緊急事態宣言解除以降、プロ野球やJリーグなども開幕したりしてきました。ところが7月初旬に演劇を開催していた新宿の劇場でクラスターが発生してから、こうした開催が難しくなりました。通常の劇団四季は年間3000回公演行われていますが、今年はこれまでに年間3分の1に値する1000回以上の公演が休演され、損失が85億円に上っているそうです。小さな劇団の苦境も報道で見ましたけれども、劇団規模の大小に関係なく広くエンタメ業界ではまさに存続の危機ともいえる状況です。そうは言ってもやはりこういう時間必要だと自分自身が実感したのと同じように、例えば好きな歌手がいてライブに行くという観客も、その一方で、演者や関係者の生活もあります。

7月14日から公演を再開した劇団四季も劇場でかなり厳重な対策を講じていました。入り口は導線を一つに絞り、検温と消毒のスペースが設けられていました。また、誤った消毒についてもしっかりと呼びかけられていました。


トイレの並び方も足元に印が付けられていましたし、印をつけて自主性に任せるのではなく係員が頻繁に呼びかけも行っていました。

そして劇場の中の座席は、間隔をあけるということで隣に人がいない状態、密にならない状態を作っていました。これは、裏を返せば劇場のキャパシティーが半分になりますので、採算性は悪くなります。

それでも、こうして主催者側がリスクを低くすることは出来ても、リスクをゼロにすることはできません。

ですから、こうした芸術の火を守るということ、あるいはもっと広く経済活動を我々が営んでいく上でも、我々の協力が欠かせないと思いました。設けられたルールを守るのは当たり前ですが、例えば消毒をおざなりにするのではなく、指1本1本を念入りに消毒して感染予防に努めることが必要です。

ところで今年の終戦の日は先週の土曜日でした。敗戦から75年、時代も大きく変わりました。中国の軍事力拡大などで、日本の安全保障も新たな時代に入っています。

そんな中、ミュージカルで戦争を思い出すことが私にはあります。それは昭和の歴史を語り継ぎ、平和への祈りを込めた劇団四季のオリジナルミュージカル、「李香蘭」「異国の丘」「南十字星」の昭和の歴史三部作です。これらの作品を残してくれたのは2年前に亡くなった演出家の浅利慶太氏でした。

平和の尊さ、いよいよ戦争にしてはいけないという強い教訓を私たちに残してくれました。そうした意味でも、舞台芸術の持つ力は本当に大きいと感じます。

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