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ユネスコ記憶遺産に「南京虐殺」?ヘタ外交はどうすればよいか!

今回はニュースになっているユネスコの世界記憶遺産についてです。

まず、日本から申請した『シベリア抑留者の引き上げ記録「舞鶴への生還」』と京都市の東寺に伝わる国宝「東寺百合文書」の登録が決定し、喜ばしい限りです。

しかし今回、問題になっているのは、ユネスコが中国が申請していた「南京大虐殺文書」の登録をも認めたことです。

そもそも南京大虐殺についてはその人数も諸説紛々ありますが、中国の申請内容である30万人以上は事実ではありません。当時の南京の人口は最大で約20万人で、仮に「全員」としても30万人はありえません。
この一点でも、間違った数字の申請をユネスコがやすやすと認めるのは大問題と言わざるを得ません。

ユネスコそのものですが、予算分担率と順位は、1位のアメリカ22%に次いで日本は11%・2位です。
金額は分担金と任意拠出金を合わせて4494万8000ドル(日本円で54億円)にもなりユネスコに大変貢献しているわけです。
こうした予算でユネスコは職員約2200人を雇用し運営しているのです。

今回、ユネスコに対する日本の措置を見直すべきという意見が出ていますが、私は賛成です。
ユネスコはそもそも政治的な場ではないと前提にされつつも中国は明らかに政治利用して歴史的根拠が不明なものを申請しました。
これをユネスコがやすやすと認めるのであれば、政治の場として活用してよいとユネスコ自体が認めるようなものです。
アメリカの分担率は22%だと前述しましたが、実はここ2年、アメリカは拠出を見合わせています。
理由は、パレスチナがユネスコに加入したことにアメリカは反対をしているからで、極めて政治的な理由でアメリカは分担金・拠出金の支払いを停止しています。
日本もユネスコのあり方に問題提起をするために、そして南京大虐殺のように事実でない申請は認めさせないためにも、拠出金支払いを見合わせることには賛成です。
すでに自民党の二階総務会長や菅官房長官も同様に言及しています。

ただ今回も教訓とすべきは、こうした事案の結果が出てから事後に分担金をやめるのではなく、起こる前に見合わせておくべきだったということではないでしょうか。
事の後で分担金を見合わせるぞ・止めるぞというのは圧力としては弱いですし、しかも一国の官房長官まで言及してしまうと、今度は本当に見合わせなければそのことそのものが今後のマイナスになってきてしまいます。

横浜市長時代、国から羽田空港の再整備に協力を求められ、横浜市は6年間かけて計100億円の無利子貸付けを行いました。
しかし貸付けが始まると横浜市が条件にしていた羽田空港の「国際化」について国は明言しなくなり、単なる「再拡張」だと言い出したことがあります。
横浜市は約束を違えるのであればお金を出せないとして、予定していた年度の24億5千万円の貸付けを実際に停止させました。
その後、政権が変わったこともあり羽田空港は国際化路線に戻り、今の羽田があります。
このように結果に実を結ぶためには、先に見合わせるなどより効果的な方法やタイミングがあるはずです。
国内と国際問題でも、根本的な違いはないでしょう。

日本の国際政治の立ち振舞いとして支払い停止に賛成ですし、そもそもユネスコへの供出金54億円は全て国民の税金です。国はしっかりと主張してください。

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