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トラベル?それともトラブル?

反対意見が噴出する中、政府肝いりの「GoToトラベルキャンペーン」が始まります。当初8月からの実施だった開始時期を前倒し、来週7月22日からが実施される予定です。所管する国土交通大臣の赤羽和義氏(公明党)が、10日に記者会見した時、私は「本当にやるの?しかも、前倒し?」と思いました。その後もコロナの観戦再拡大が続いているので、賛否両論というよりはもう批判噴出という状態になり、「やっぱりな」と思いながら見てきました。このことについては昨日出演したMXテレビのモーニングクロスという番組の中のオピニオンCROSSでも私は取り上げました。

確かに誰が考えても、観光業はコロナで大打撃を受けていますし、官公庁の速報では4月の国内旅行の取扱額は前年同月比の6.4%です。ということは、93.6%も昨年に比べて減っているということです。民間の調査によれば、4月のホテルの稼働率は前年同月比83.5%減っているだけではなく、客単価も半額以下になっていて大変です。

ホテル稼働率   83.5%減
平均客単価    47.5%減
全体の宿泊者数  77.0%減
※PwCコンサルティング [COVID19 ホテル業界への影響より]

GoToキャンペーンは、宿泊などの旅行代金の1/2相当分を、割引とクーポンで支援することです。
※最大1人1泊あたり上限2万円分、日帰りは上限1万円分

これは金額として大きいですね。GoToキャンペーンはそもそも政府が、どんどん旅行(移動)してお金を回すことを奨励するということになります。ただし、「体調が悪い人は行かないで」と注意を呼びかけていますが、観戦しても無症状の人たちがいるのも今回のコロナの特徴ですね。そうした無症状の人たちが知らずのうちに観光地に新型コロナウイルスを持ち込むということが十分あり得るわけです。その観光地といえば医療体制が脆弱であるケースが圧倒的に多いです。何せこれまでの暗黙の前提は、観光というのは元気な人が行くということですから。

さて、このキャンペーン開始にあたり、むつ市の宮下宗一郎市長が、「キャンペーンによって感染拡大に歯止めがかからなくなれば、これこそ政府による人災だ」と反対意見を言ってました。これはかなり思い切った勇気のある発言だと私は思います。むつ市だって観光客に来てもらいたいのは山々だし、本当に小さな市ですよ。けれども、これを言わせてしまったということです。

先ほどもも言ったように観光業は瀕死の状態でもありますから、対策は必要だと思います。だから、キャンペーンをやるなと言っているのではありません。仮にやるならば、と考えたときにまず考えられるのは近距離ツーリズムの奨励です。すなわち、近場での観光ということですが、これはwithコロナ時代の新常態(ニューノーマル)とも言えます。なぜならばインバウンド客(訪日客)は全然これないでしょう。これまではインバウンド頼みで観光が成り立ってたいましたが、脱却が必要ですよね。そして、コロナの教訓とすべきだと思います。これから何年先まで、海外から人が来ないかわからないわけですから、日本人による国内旅行が大事になってくるわけです。さらに、今このタイミングだったら近場ですね。海外に行ったことがある人、海外旅行が好きな人でも自分の住む近隣の県に行ったことない場所があると思います。皆さん、考えてみてくださいよ。私だってね、江ノ島とか箱根とかは神奈川県内で行ったことあるけど相模湖には行ったことがありません。そうした近距離ツーリズムを奨励するということが一つですね。

そしてもう一つは、感染者数の少ない地域間の旅行にしてはどうかということです。今感染者ゼロの岩手県、その近隣の秋田谷や青森県など東北の中での旅行を奨励するとか、四国もやはり感染者数が少ないので、4県内の旅行を奨励するというような考え方です。感染者数が少ないのは、単に人口が少ないからではありません。やはりそれぞれの都道府県の取り組みや住民の協力があっての結果でもあるわけです。一方で感染者数が多い都道府県から人が出ない、また来ないようにすることで感染者を抑えるという努力があり、やがて観光客が戻ってくるというふうにすることです。そうしたメリハリが必要だと私は思います。

国がやるとなると、どうしても全国一律という考え方になってしまう。これが問題なんです。TV出演の時も言いましたが、今回のこのキャンペーンは政府の大きな賭けと言えるけど、内容的には賭けどころではないですよ!

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