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【妊婦加算凍結】トライ&エラー、それを容認する必要性

今年の4月から妊娠女性(以下、妊婦さん)を対象に、妊婦健診や歯医者さんでの治療などを除いた全ての医療機関で、受診時に『妊婦加算』が実施されています。

簡単に言えば、妊婦さんの医療費の支払いは他の人よりも別に費用がかかる訳です。どうしてこのような政策が実施されたのでしょうか?
それは、胎児への影響を考えた検査や処置、薬の処方などには、手間が掛かるからです。
その手間を嫌がり、妊婦さんの診察を断る医療機関や医師も現実には出ていましたし、実際に胎児への影響を訴えられるなど、これらのリスクを回避する意味もありました。

医師に手間をかけて診察してもらう為に始まった妊婦加算ですが、コンタクトレンズの検査や、皮膚科でのイボ除去術にまで、妊婦だからと加算が必要では不満が募るし、医療機関に安心して行くことが出来ないと批判になりました。

さて、加算額が一体幾らかというと、初診料に750円、そのうち税金や各種保険料で一定額の負担がありますので、本人負担3割の場合で230円が実質的な支払い増になります。再診の場合は380円の加算、本人負担3割で110円の実質的負担増になります。金額もさることながら、医療機関で受け取った診療明細に、『妊婦加算』と書かれていれば、妊婦さんからすると、損した気分になるでしょう。また、自分たちが差別されてる気分になったでしょうね。さらに、国を挙げて出産や子育て支援をしていこうとする流れのなかで、この政策は逆行していると思ったのは、妊婦さんだけではなかったと思います。このような仕組みこそ、社会全体で賄っていければいいのにと私は思います。

さて、これらの診療報酬がどこで決定されるかというと、中央社会保険医療協議会で2年に1回の改定作業を経て決定されます。次回改定は2020年になりますが、与党自民党内からも、早急に改めるべき問題と提議され、厚生労働省としても2019年1月から凍結することを諮問し、昨日19日に中央社会保険医療協議会で了承の答申を得ました。

今回の件、政府批判がキッカケで凍結される事になりました。私は、この件を含めて政策というのは「やってみた、でもだめだった」そのときに『方針転換すること』も大事だと考えます。

私が常々思ってる事の一つに、今回のようなことがないように制度設計を万全にし、国会での議論もしっかり行うことが大事だと思いますが、国民も政策のトライ&エラー、そして見直しを容認する必要があると思います。
そうでなければ今後、役人をはじめとして政治家は、全て完璧でなければ何も行動をしなくなりますよ。

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