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【加計学園グループ】岡山理科大・客員教授の中田宏が考える、コトの本質

学校法人加計学園が愛媛県今治市に建設中の大学の獣医学部新設問題で、文部科学省の前事務次官と総理大臣官邸側が泥仕合を繰り広げています。
数ヶ月間に渡って問題になっている「森友学園」と同様に、文部科学省が所管する”学校”関係でかつ”総理が口を利いて無理強いした・していない”が話題になっています。

ちなみに私は加計学園が運営する岡山理科大学の客員教授ですが、何ら影響力がありませんので何かをお願いされたり相談されたことは、ありません。

文部科学省の前事務次官・前川喜平氏は天下り問題で今年1月に引責辞任した人ですが、先週に総理の意向が滲み出た内部文書について会見を行い、昨日は朝日新聞が一面トップで報じた通り、取材に首相補佐官から圧力を掛けられたと答えて大きく騒がれています。
一方、政府側は菅義偉・官房長官が「怪文書の類い」と完全否定しており、全面的に言い分が異なります。
どちらが本当かは分かりませんし、いずれの肩を持つつもりもありません。

しかし「コトの真偽」を探るだけでは本質からズレてしまいます。
政治家は議会活動を始めとして様々な形で「圧力」を掛けますがそれが”国に必要”なのか、”違法だったり行政の中立公正性を捻じ曲げる”ものなのかが問われます。

仮に、
◯獣医師は足りていないのに
◯獣医師会は「ライバルが増えたら困る」との立場
◯文科省も定員を増やさず、新設も認めない
→政治家が「何とかしなきゃ」と考えたのであれば
→”正しい圧力”と思います。

逆に、
◯獣医師は足りていて
◯さらに増えれば悪徳医師の出現が懸念
◯質も下がり過当競争の可能性も
→政治家が「それでも増やせ」
→これは”ダメな圧力”でしょう。

実際の獣医師の供給状況は分野によって違うようで、いわゆる街中のペット等の動物病院は足りている一方で、鳥インフルエンザや家畜の病気などを診療する地方自治体など公共等に勤務する獣医師は慢性的に不足しているそうです。
例えば高知県は6年前からホームページで獣医師が不足しているので1人でも多くの人に応募して欲しいと切実に訴えています。
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/160903/jyuishi.html

獣医師を育成する国公私立大学は全国に16校ありますが、その定員は昭和59(1984)年以来33年間変わらず930人です。
もちろん獣医師数は分野的ミスマッチとも言え単純に増やせば良いわけでもないでしょう。
文部科学省は一体どのように考えているのでしょうか?

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