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【イスラム国】首都陥落ながら、楽観できない4つのワケ

10月21日、「IS(イスラム国、Islamic State)が一方的に“首都”と宣言して支配してきたシリア北部の都市ラッカが解放された」というニュースが流れました。
日本は衆院総選挙の最終日でその後も関連報道が相次いだためこのニュースの扱いは大きくありませんが、重要な出来事です。

IS(Islamic State)は「イスラム国」と呼ばれていた時期もありますがいわゆる“国家”ではありません。
過激思想のテロ集団ISがラッカを支配してきたわけですが、戦闘に次ぐ戦闘に人間の盾としてラッカ市民が多く巻き添えになっており、その地が解放されたということはすなわち双方に大きな被害があっての結果ということです。

ISを壊滅に追い込んだ勢力は二つあります。

①シリア反政府軍+アメリカを中心にイギリス・フランスなど有志連合
②シリア政府軍+ロシアやイランなど
この二勢力はISが敵であることは共通しているものの、そもそもは反発しあっていますし、それぞれの陣営同士も以下のように反目しています。

政府軍←→反政府軍
ロシア←→アメリカ
イラン+ロシア←→アメリカ+イギリス・フランス
ISが首都としていたラッカを制圧したことでISが壊滅に近づいたことは間違いありませんが、残った2つの勢力が仲良くできるわけもありませんから、これから先も尾を引くでしょう。
またラッカの制圧でISが完全に壊滅したわけではなく、勢力は世界に散らばっているわけですから今後もテロの脅威が続く懸念はあります。

平成28(2016)年7月1日にはバングラデシュ首都ダッカ・レストランを銃撃して民間人など20人が死亡していますし、フランスやドイツでのトラックテロ、ベルギー・ブリュッセルでの空港爆破テロがありました。

まだまだ日本人がどこで巻き添えを食うかわかりませんし、先ほどの二大勢力の関係性だけではなく根本には宗教の対立や貧困問題などがありますから、この脅威はそう簡単には終わらないでしょう。

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