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【アメリカ大統領選】「ヒラリーで良かった」と、いうことだ

アメリカ現時時間11月8日(日本時間11月9日)に大統領選挙の投開票が行われました。
固唾を飲んで見守っていましたが、日本時間の夕方にトランプ氏の勝利が伝わりました。

私はヒラリー・クリントン氏の方が望ましいと考えてきました。
トランプ氏はそもそも体系的な政策を全く打ち出しておらず、彼が何をしようとしているのかわからないので認めようがなく、またこれまでの数々の暴言は仮に選挙キャンペーンの“方便”だったとしても嫌悪感を抱きました。
政治に関わる立場として「このような人を大統領にしていいのか?」と思わざるを得ない不信感も覚えました。

トランプ氏の勝因はこれまで何度かブログで書いたようにアメリカで格差へ不満が溜まっていたことがあるでしょう。
経済的な格差は“グローバリゼーション”から発生していますが、推進してきたのはアメリカ自身です。
その意味で今回の結果は”アメリカの矛盾“であり、そのアメリカに世界中が左右される虚しさも感じます。

もう一つの勝因は“相手がヒラリー・クリントン氏だったから”でしょう。
“メール問題”についてはだいぶ報道されているものの、日本にはその本質がなかなか伝わっていないように思います。
この問題はただ単にクリントン氏がメールで公私混同したという話ではありません。
クリントン氏が国務長官時代などに主宰する「クリントン財団」にさまざまな形で献金を求めるメールをやりとりしていて、その相手に国務長官として便宜供与があったのでは?賄賂に当たるのでは?という疑惑です。
クリントン氏側はそれを隠すために国務大臣と個人のメールアドレスを使い分けていたわけですが、日本ばかりでなくアメリカの報道もこれをきちんと報じていません。
トランプ氏はそこを突いたことになり、韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領と崔順実(チェ・スンシル)氏の癒着が問題になっていますが、ほぼこれに近い構図があったわけです。
「不人気者同士の戦い」といわれた今回の選挙で、クリントン氏は公職中の問題を抱えていて、これから大統領になる者としての資質は大丈夫なのかという不信感が政治経験のないトランプ氏を勢い付かせ、多くのアメリカ人の“ワシントン政治”への嫌悪感を広げたのでしょう。

昨日の東京株式市場は1100円ほどの値下がりした一方で、今日は朝から1000円近くも上がり、昨日今日で乱高下を繰り返しています。
トランプ氏の大統領就任は1月20日ですが、それまでもそこからもこの大統領選の結果に日本も振り回されることになりそうです。

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