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【どストライクなチャンスだったのに!】参議院「定数6増」

7月22日、今年の通常国会が閉会しました。

20日金曜日に国会閉会のニュースを見た方がいるかもしれませんが、会期は22日まで。
ただし実質的には平日の金曜日で終わっていました。

今国会を振り返ってみます。

表面的には、政府は65本の法案を提出、うち60本が成立していますから成立率は92%と”わりと良い方”で、成人年齢を20歳から18歳にする民法改正や働き方改革関連法などが成立しました。

実質的には、相変わらず国民が行ってほしい議論とは違ったのではないでしょうか。
スキャンダル追及などは予算委員会とは別にやってほしいのがホンネです。
また、働き方改革は野党の懸念も理解できましたから、もっと建設的に法案修正を迫れば与党も応じたのではないでしょうか。
こうしたことができなかったので、実質的には”ダメ”でした。

さらに物理的には、1月22日に召集されて7月の22日まで丸6カ月の会期でした。
国会議員の経験から、この間は本当に朝から晩まで忙しかったです。
やっている議論は実質的に大したことはなくても、物理的に駆けずり回って忙しかった国会議員の皆さま、本当にお疲れさまです。
働き方改革の議論では「日本は世界の国々に比べて生産性が低い!」という言葉がよくありましたけれども、その日本のなかでも”国会は一番、生産性が低い”のではないでしょうか。

さて、成立した法律の中に公職選挙法の改正があります。
来夏の参議院議員選挙を前に、バタバタで駆け込み成立させたもので、なんと参議院議員が6名、増えます。

感情的に
「国会議員なんか減らせ」
という意見も多いと思いますけれども、感情的にならなくても日本国民は昨年1年間だけで37万は減っていますから国会議員もスライドしなければおかしいでしょう。

6増の理屈は次のとおりです。

まず以前より最高裁判所で参院選が「違憲状態」との判決が出ているにもかかわらず、もしこのまままた参院選を行ってしまうと「本当に違憲」との判決が出て選挙のやり直しを命じられるということもあり得ます。
なおそもそも「何が」違憲状態かというと、憲法第十四条「すべて国民は、法の下に平等であつて…」に抵触しているということですなわち”一票の格差”です。

そのため今回、参院選で同じ日本国民なのに最も”軽い”一票の埼玉県は定数を増やしました。
その際、参議院は半数ごとの改選などで”1+1”を増やして2増となります。

また前回の選挙から格差是正のために人口が少なく一票が”重い”徳島県と高知県、島根県と鳥取県を統合、選挙区を合区しました。
その結果、自分の県の代表を送れない2県分を比例区に回す。
比例区も3年ごとの改選ですから”2+2”を増やして合計4増。

結局、6人が増えるということですが、もとは前述のとおり「憲法違反の疑いが高い」すなわち”憲法の議論”です。

ということは、憲法を改正して「単なる人口割りではなくて地方公共団体(県など)ごとに代表者を選べる」などと憲法に盛り込む方法もあったわけです。

「憲法違反との判決なのだから、憲法を改正しようじゃないか」
といった議論を自由民主党は行うべきでした。


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