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「介護サービス使いすぎ?をチェック」←川崎市は頑張ってます

「高齢社会だから財政が厳しい」とよく聞きますが、その要素の一つは「介護」でしょう。

介護保険財政も年々、厳しくなるなか、政府もその支出を抑制するための見直しを進めています。

介護サービスを受けるためには、住んでいる市区町村の窓口で申請して介護度認定を受け、その要介護度に応じてケアマネージャーがケアをしていくサービスを決め、そのケアプランで”生活援助”の内容や頻度が決まります。

一人暮らしのお年寄りにとっては例えば食事作りや掃除、洗濯なども援助が必要ですが、あえて悪く表現すると、そのサービス回数が多ければ事業者にとっては報酬がそれだけ入ることになりますし、お年寄りにとってもその方が楽でしょうから、これまでも過剰なサービスがかなりあるのではということは指摘されてきました。

そこで今年度の見直しで、ケアプランに応じた適正な水準になっているか、ケアプランに要介護度以上のサービス回数が計画されているような場合には報告を求めたり、チェックして是正を促すことを市町村が行うことになりました。
介護保険者は市区町村ですから過剰なサービスが行われていればそれだけ持ち出しも増えますが、しかしチェックするために職員を増やすというのはやぶへびでそれもできません。

そもそもチェックしなければならないというのは仕組みに問題があるのではないか、そこを改善するのも大事ではないかと思いますが、そこで参考になるのは川崎市です。

川崎市では「かわさき健幸福寿プロジェクト」という要介護度を減らす取り組みを始めています。

かわさき健幸福寿プロジェクト

かわさき健幸福寿プロジェクト
http://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/23-1-18-0-0-0-0-0-0-0.html

このプロジェクトの第1期は一昨年、平成28(2016)年からスタートして昨年まで行い、参加したお年寄りは214名、参加した介護の事業所は246施設でした。
今年度は500人以上の要介護のお年寄りが参加しているそうですが、要介護者にかかわる介護士や医師、看護師、作業療法士などが情報を密に取りながらなその人の目標や作業を通じて要介護度を減らしていこうという取り組みです。

要介護度は5段階ありますがそのレベルが下がるということは、例えば友人と会うことができるとか、趣味の会に多く参加できるとか、何よりも自分自身のことを自分でできるなど、もっと動けるようになるということは喜びでしょう。

そして川崎市は、要介護度が改善したご本人を表彰したり、事業者には表彰のほかに報奨金5万円などでインセンティブを出すようにしています。

川崎市では
「逆介護」
という表現でこうした政策を熱心に進言する市議会議員がいたり、
「市の財政を健全化しよう」
「そのためにも介護にかかるお金をなるべく節約していこう」
と考える市長がいて独自の政策が進んでいますけれども、これ本来は国がやるべきことではないでしょうか。

介護度合いが高まってサービスが増えれば事業者にお金が入るという仕組みではなくて、お年寄りが元気に居続けられてもっと改善してさらに介護が減るようなところにインセンティブが働く仕組みを作るのが国の仕事ではないでしょうか。


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