「捕鯨問題で自らの主張を力説」

テレビ朝日「サンデープロジェクト」に出演

 中田ひろしは10月1日、田原総一朗氏がキャスターを務めるテレビ朝日「サンデープロジェクト」に水産庁資源管理部遠洋課捕鯨班長の森下丈二氏と共に出演、「日米捕鯨摩擦」というテーマの下で捕鯨問題についての持論を力強く展開しました。その番組内容をご紹介します。



鯨を捕る理由と欧米の反対の理由は?

田原:なんで日本はそんなに鯨を捕りたいんですか。

中田: まずお断りしたいのは、私は36歳の若い世代ですけれども、鯨を昔食べていた、おいしかったというノスタルジーから捕鯨問題をやっているのではありません。これは本当に日本の正義だと思っているわけです。我々日本の側は鯨を絶滅させようという気もさらさらないし、絶滅しそうな種を食べようと言っているのではありません。十分資源量が確認されているものを食べたいと言っているわけであり、お互いの文化の認め合いなのです。今、(海洋における)生態系の中で一番上位に属している鯨だけを保護することによって海の生態系がどんどん破壊されている。
番組出演中の中田と森下氏
テーマは「日米捕鯨摩擦」

田原:僕も昔取材したのだけれど、あの時に「他の魚は単なる魚だけれども、鯨は哺乳動物だから食べちゃダメなんだ」という話だったですね。

中田:欧米人はそういう感情の下に鯨というのは頭がよくて、しかも可愛いいという感情がある。反捕鯨は、それを利用した環境保護団体の資金集め、そして政治的な利用なんです。環境保護団体にとって捕鯨禁止というのはものすごく資金が集まるテーマなんですよ。

田原:Co2(二酸化炭素)とかは。

中田:(資金集めとしては)ぜんぜんダメですね。CO2なんて京都会議でアメリカが一番反対したじゃないですか。彼らは産業界の意向も受けているわけです。ところが、鯨だけは誰も反対する人がいない。

田原:環境団体は鯨だと金が入ってくる。儲かるんだ。

中田:その通りです。鯨かわいそう、殺しちゃダメ、子供をプロモーションビデオに出したりしながら寄附金を募る。環境保護団体には捕鯨禁止はものすごく資金が集まるテーマだし、(反捕鯨を主張する)政治家は環境保護派に映るわけで、他のことで産業界とつるんでいたとしても「あの人は環境保護派だ、野生動物を大事にしている」というイメージを植え付けられるわけですよ。
森下:IWC(国際捕鯨委員会)科学委員会のデータでも、ミンク鯨は全世界におよそ100万頭、マッコウ鯨は200万頭います。日本が捕っているミンク鯨は年間100頭でしかないし、日本が調査のために捕ろうと言っているマッコウ鯨は10頭です。鯨は年間3%から10%以上増えるわけですよ。その中から、こういう数を捕っても資源にはまったく影響ありません。
中田:(反捕鯨国が捕鯨禁止を主張する理由として)3つあるんです。すでに述べたような、環境保護団体の資金源が鯨であるということと、政治家にとって環境保護を謳うことのイメージの良さということのほか、3つ目には経済的背景があります。日本人は魚を食べていますが、欧米人は魚より肉なんですね。彼らはビーフや羊を輸出している側だということを忘れてはいけません。鯨をはじめ海の資源を我々が食べないほうが肉の輸出量が増えるわけですよ

田原:鯨と牛の知能はだいたい同じだというけれども、鯨はダメで牛はいいというのは何なんですか。

中田:彼らは、牛なら家畜として人間がコントロールできるというんですね。

森下:しかし、アメリカだって野生動物をたくさん殺しているわけです。今でも鹿を毎年560万頭間引きするんです。オーストラリアでもカンガルーを少なくとも毎年200万頭から300万頭間引きして食料にしています。それなのに、鯨が増えすぎて魚を食っている時に間引きするのはいけない、というのは全然分からない理屈なんです。

鯨は魚類を食い尽くし、その先にあるものは?

田原:鯨はどのくらい魚を食べているんですか。

中田人間の3倍から5倍食べています。日本の調査で、世界中の鯨が小魚を食べているのは2億8000万トンから5億トンだと分かったわけですね。それに対して、全人類が食べる魚の量は海面の魚で、漁港に上がる量をカウントしていくと約9000万トンなんですよ。
日本は国際委員会で認められた枠の中で捕ります。そうした意味では、日本が何頭捕りたいかは関係ないんですよ。科学的データに基づいて捕れる量が決まれば、それに従って捕ると我々は言っているわけです。

田原:鯨がもしダメになると、その次にマグロもダメになるという話もあるんですか。
中田:マグロもすでにオーストラリア、ニュージーランドなどは強烈に日本に対してプレッシャーをかけて、かなり制限されています。規制対象になってから、日本は一番減船しているわけです。マグロだけではない。その後、他の水産資源もみんなくるわけです。

森下:日本だけが132隻の大きな延縄漁船を潰しちゃったんですよ。他の国に同じようにやって下さい、協力して下さいと言っているんですが、逆に韓国や台湾の船が増えたりするんです。日本の船をせっかく減らしても、他のところは増えてきて、おまけにまた環境団体に叩かれ、二重三重に日本の漁業は苦しんでいるんですね。

日本のマスコミの対応とアメリカの二枚舌

田原
:マスコミはそういうことは書かない、と。

中田:それどころか最近も、朝日新聞の編集委員が、最初から最後まで嘘ばっかりの記事を書いています。全然データを示していない。日本人のずるさということで「調査捕鯨というふうに名を借りて実際捕鯨を続けている」と書いてあるけれども、調査捕鯨は国際条約上認められている権利の行使であって、日本はずるくない。ずるいのはむしろ欧米なんですね。アメリカでは今でもイヌイット族(かつてのエスキモー)やマカ族が捕鯨をしているんですよ。
森下彼らが捕っている鯨は北極鯨で、世界で7000頭しかいないんです。それを毎年60頭捕らせている。いろんな国が食べている鯨肉の量を概算してみたんですが、アメリカは1900トン、この北極鯨を食べている。うっかりするとアメリカは世界最高レベルの捕鯨国でありながら反捕鯨なんですね。

中田ダブルスタンダード(二枚舌)はアメリカなんですよ。先の朝日の記事には「家畜と違い大海を泳ぐ野生の鯨を食べることが彼らには野蛮に映ることをもっと私たちは自覚する必要がある」とも書いてあるが、野蛮というのは見方が違えば逆であって、我々からするとオーストラリア人がカンガルーを食べるほうが野蛮だとも言えます。いずれにしても、データを理解して書いてもらわなくては困る。こんな記事だけが一人歩きしてしまっては、鯨は絶滅しそうで、それを食べている日本人は野蛮だと欧米人は思うだろうし、日本人も何となくそんな価値観を持ってしまう。我々が一生懸命にやっていることも伝わらないんですね。

田原:何で他の政治家は熱心にやらないの。

中田:政治家の側からしたら票にならないでしょう。

田原:カツオ、サンマ、イワシに至るんだということをちゃんと認識しないとね。

森下:(写真を示して)これを見てください。ミンク鯨の胃を開けて出てきたカタクチイワシですよ。胃の中にこんなに魚がつまっている。これが漁業に影響を与えないはずはないんです。

田原鯨を食べないと、鯨が魚を食べ尽くしてしまう可能性があるわけだ。
司会の女性:主婦としては食卓から逆にイワシとかサンマとかがなくなってしまうことがあったら困るなとまず感じます。なぜ捕鯨が支持されないんですか。

中田:IWCというのは特殊な会議になってしまっているんです。加盟国は40数カ国ですけれども、実際投票権を持っているのは30数カ国。この30数カ国がほとんど鯨を食べる文化がない国なんですね。環境保護をうたい文句に反捕鯨国が次々と反捕鯨陣営を引っ張り込んできた。鯨を捕ったことも食べたこともないという30数カ国の中で決まっているんです。しかも、科学データがしっかり日本が取っているものを提出してもその数字を認めますか認めませんかということから採決なんですよ。(科学データが正しいか正しくないかは多数決で決めることではない)

呼びかけ

なお、間違った記事を書いた朝日の編集委員に対して田原氏が番組中で「反論があればこの番組にぜひ出てきて」と呼びかけたのですが、いまだに返答がないということを付言しておきたいと思います。




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