郵政民営化問題

「中田ひろし&ザ・ニュースペーパー第3弾」での
「郵政民営化問題」における中田と小泉元厚相との議論をご紹介します



1 自民党の支援団体のなかではトップは特定郵便局長?

小泉:
全国で1万8000人いる特定郵便局長が自民党員を20万人以上集めて、自民党の支援団体のなかではトップです。選挙の票も全国で100万票集めています。1小選挙区当たり平均3000票くらいある。それだけの票を動かす組織は非常に魅力的です。
1位でないと当選できない小選挙区で、増える票が見えない反面、まとまった票を持った組織が逃げると確実に何千票か何万票減ります。減る票ばかり考えて、その組織の嫌がることは言えなくなるわけです。

中田:他の利益団体の場合、自分達の利益になるから選挙を応援するということはあります。しかし、郵政は民営化を唱えている人を目の敵にして「あいつを落とせ」と活動する。郵政は非常に固いつながりがありますね。

小泉:特定郵便局長としての身分がなくなる、今までの既得権がなくなる、だから反対する。けれども、民営化してどういうプラスがあるかは、まだ民営化していないから分からない。分からない不安定な票を当てにするよりは、確実に目に見え、組織で選挙を応援してくれる団体に支援を頼む議員が自然に多くなります。

中田:郵政民営化問題では、小泉さんが会長の研究会に私も加わっているわけですが、若い議員の中には「本音は賛成だけれども、地元秘書から懇願されて今は研究会に入れない」と言う議員もいっぱいいます。
民営化すると過疎地の郵便局は廃止されると言われていますが、先日、ヤマト運輸関係者を招いて研究会をやったとき、「郵便局が過疎の村から撤退したら、私達(民間は)は喜んでそこでやりますよ。運送業は全国ネットだから信頼があるんです。それを『儲からないから扱いません』では、それだけで信頼がなくなります」と言っていました。
むしろ民間がやる気があるのに参入させないのが問題なんです。

2 民間業者は税金を払い、郵便局は税金を払わない?

小泉:
ある地域では特定郵便局がなくなったり、コンビニ化したりするかもしれない。でも、住民のところに来た葉書が配達されないということは絶対あり得ない。必ずそれに代わる民間が出てきますから。
全国には1万8000の特定郵便局、17万の郵便ポストがありますが、ヤマト運輸の取次店だけでも27万軒です。今、郵政省の職員は約30万人、ヤマト運輸は7万人です。それが同じような仕事をしている。
国鉄や電電公社は民営化後も職員がかなり減りました。この面では、今の郵便局職員がそのまま職員として残るということにはならない。だから、反対しているのは分かる。しかし、国民全体のことを考えると、民営化はどれほどプラスになることか。サービスの提供はもとより(民間業者は)税金を払う。郵便局は税金は払いません

中田:そこなんですよ。公の仕事はあくまでも民間活力を引き出す、あるいは、民間の補完をしていくことです。公と民間は同じ条件では競争できません。公は税金を払っていないが、民間は税金を払ってくれるわけですよ。
クール宅急便をヤマト運輸が始めた。これは民間がアイデアを出し、宅配の車に冷蔵庫を付けるなど莫大な設備投資をして開発した商品です。
それに対して、国営事業は後からチルドゆうパックを出しました。こんな失礼な国はない。国鉄の場合、サービスが悪かったが、郵便局員さんはむしろ公務員の中では極めて勤勉だ。だからこそ、舵取りを間違うと国の活力をなくしてしまう。民間が国の活力の中心だという価値観を常に持たねばなりません。

3 郵貯の利率がいいのは利子を税金で払う仕組みがあるから?

小泉:
民間は研究開発費、冷蔵庫、冷凍庫などの設備投資は全部自分の金です。郵便局は設備投資に税金を要求してくる。しかも、すでに民間がやっていて郵便局がやらなくてもいいものをやろうとする。企業が発展してこそ税収も上がるんです。企業の足を引っ張って税収を上げさせない、同じ仕事をやって税金を払わない。そんな役所の仕事が増えれば増えるほど、我々はさらに税金を払わなくてはいけない。この点をよく考えていただかないと。

中田:郵便、郵便貯金、簡易保険(簡保)の郵政3事業は皆民間と競合しています。郵便は運送会社、貯金は銀行、簡保は生命保険会社。郵貯の利率がいいのは利子を税金で払う仕組みがあるからです。郵貯から特殊法人などに貸し出しているが、特殊法人は赤字なので返せない。それを税金で補てんしている。税金で利率の上乗せをしているんです。
第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行が合併すれば総資産は141兆円。世界最大の銀行になりますが、郵貯の総資金量は何と251兆円です。世界最大の銀行より100兆円も多い。お金が集中しています。民間の活力とどちらが重要か、何で不景気なのか、よく考えてほしい。





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